台風24号は現在、沖縄本島から奄美地方の周辺で反時計回りに動く、いわゆる「迷走」状態にあります。
暴風域を伴わない比較的弱い勢力ながら、進路がなかなか定まらず、秋雨前線を刺激して本州の広範囲に大雨をもたらしているのが2026年9月5日時点の状況です。
台風24号は今どこにいる?9月5日時点の位置と勢力
結論から申し上げますと、9月5日(土)午前9時の時点で、台風24号は久米島の北約170キロの海上を南南西へ、時速15キロというゆっくりとした速さで進んでいます。
中心気圧は990ヘクトパスカル、最大風速は20メートル毎秒で、台風としては下限に近い勢力とされています。
ウェザーニュースの発表によれば、最大瞬間風速は30メートル毎秒に達するものの、暴風域は伴わない見通しとのことです。
一見すると「大したことのない台風」に思えるかもしれませんが、恐ろしいのはその進路と、後ほど詳しくお伝えする「雨」の影響でございます。
数字だけを見て安心せず、動きの奇妙さにこそ注目していただきたいところです。
台風24号はなぜ迷走しているのか?高気圧と寒気が原因
台風24号がなぜこれほど不規則な動きをするのか、これは多くの方が気になるポイントだと思います。
沖縄タイムスの気象予報士・崎濱綾子氏の解説によれば、原因は台風の周囲を取り囲む高気圧の位置関係にあるとされています。
通常、沖縄付近の台風は高気圧の縁に沿って北上していくものですが、今回はその高気圧がちょうど台風を囲むような位置にあり、さらに上空の寒気の影響も加わっているとのことです。
高気圧の張り出しが弱かったり、逆に進行方向を塞ぐような位置にあったりすると、台風自身が「どちらに進めばよいか分からない」状態になり、停滞したり複雑な軌道を描いたりしてしまうのだそうです。
台風24号は9月1日(火)に日本の南で発生し、その後ゆっくり北上して9月4日(金)午後3時には奄美市の北西に達していましたが、5日(土)頃から一転して南下に転じ、6日(日)には沖縄本島の南、7日(月)には南大東島近海へと進む見込みとなっています。
さらにウェザーニュースの解説では、本州の南の海上にある熱帯低気圧と連動するように、沖縄本島付近を反時計回りに移動しながら九州の南に接近していくと予想されており、まさに「回転」に近い動きを見せていることが分かります。
これは単に「台風が気まぐれ」なのではなく、台風を取り巻く大気の力関係が絶妙に均衡してしまった結果と考えると、腑に落ちるのではないでしょうか。
台風24号は熱帯低気圧に変わる?今後の進路予想
台風24号は8日(火)頃には、日本の南で熱帯低気圧に変わる見込みだと発表されています。
つまり「台風」という肩書はまもなく外れる可能性が高いのですが、油断は禁物です。
台風から熱帯低気圧に変わったとしても、暖かく湿った空気を秋雨前線に送り込み続ける役割は変わらず、むしろその後の大雨のほうが本番と言える状況だからです。
日本の南にはもう一つ、別の熱帯低気圧も存在しており、こちらも引き続き北上する予想となっています。
台風24号とこの熱帯低気圧、そして本州の南岸付近に停滞する秋雨前線という三者が絡み合うことで、7日(月)以降、本州付近に前線が北上し、大雨のリスクが一段と高まる見通しです。
進路の不確実性が大きいと各社が繰り返し注意喚起している点からも、最新の台風情報をこまめに確認する姿勢が欠かせません。
台風24号の名前「クロヴァン」の由来と今年の台風ラッシュ事情
台風24号には「クロヴァン(Krovanh/ក្រវាញ)」という国際名がつけられています。
これはカンボジアが提案した名称で、香辛料としても知られる「カルダモン」というスパイスの木を意味するクメール語に由来するとのことです。
そして今、注目していただきたいのが2026年の台風発生ペースの異常さです。
8月だけで台風は実に10個も発生しており、これは1951年からの統計で1966年8月以来、実に60年ぶりの記録的な多さだといいます。
1951年以降、1か月に10個以上の台風が発生したのはこれで過去3例目という珍しさです。
さらに、2026年は1月から9月まで毎月台風が発生しており、これも1951年からの統計で1965年、2015年に続く3回目の事例とされています。
この台風ラッシュの背景には「モンスーンジャイア」と呼ばれる、周辺より気圧の低い大規模な低気圧エリアの存在が指摘されています。
インド洋方面から流れ込む南西風や太平洋高気圧の縁を回る風がこのエリアに集まり、台風の卵となる雲の渦が生まれやすい環境を作っているとのことです。
9月の台風発生数の平年値は5.0個で8月よりは落ち着くとされていますが、本土への接近数はむしろ9月のほうが多いというデータもあり、決して気を抜ける状況ではありません。
大雨と防災情報|線状降水帯や記録的な雨量に厳重警戒
台風24号そのものの強さ以上に、今回深刻なのが雨の量です。
気象庁は9月5日(土)19時58分、奄美地方に「線状降水帯」による気象防災速報を発表しました。
同じ場所で非常に激しい雨が降り続き、1時間に100ミリ近い雨量が観測されているとみられ、土砂災害や河川の氾濫が発生する危険性が急激に高まっているとのことです。
さらに沖縄県でも同日20時28分、今後3時間以内に線状降水帯が発生するおそれがあると発表されており、南西諸島一帯の緊張が続いています。
日本気象協会の予想によれば、6日(日)18時までの24時間降水量は、東海地方で200ミリ、関東甲信地方や近畿地方で150ミリに達する見込みです。
さらに6日(日)18時から7日(月)18時にかけては、東海地方で300ミリ、関東甲信地方や東北地方で200ミリという記録的な数字が予想されています。
関東や東海地方では7日(月)を中心に、9月の平年ひと月分の雨量を超えるような大雨になる可能性があると警告されており、8月に発生した「令和8年8月千葉豪雨」で被害の大きかった地域が再び大雨に見舞われることも懸念されています。
冠水した道路は水深が見た目では判断できず、タイヤの高さの半分を超える水位でエンジンが停止するおそれがあるとされていますので、車での移動は極力控え、特にアンダーパスには近づかないようご注意ください。
台風24号の迷走が意味するもの、筆者としての考察
ここからは筆者としての率直な見解を述べさせていただきます。
台風24号を巡る一連の報道を追っていて感じたのは、「弱い台風だから安心」という発想がいかに危険かということです。
最大風速20メートル毎秒、暴風域なしという数字だけを見れば、警戒レベルを下げてしまう方も少なくないと思います。
しかし今回のケースでは、台風そのものの強さよりも、進路が定まらず長期間にわたって湿った空気を送り続けるという「持続性」こそが最大のリスクだと筆者は考えます。
高気圧の位置関係という、いわば大気の巡り合わせによって台風が沖縄付近で足止めを食らい、結果として何日にもわたって前線を刺激し続ける構図は、近年の秋台風に共通して見られる傾向のようにも感じられます。
また、8月に60年ぶりとなる10個もの台風が発生し、1月から9月まで毎月台風が発生し続けているという事実は、単なる偶然として片付けてよいものか、個人的には気になるところです。
「モンスーンジャイア」という専門的な仕組みが繰り返し取り上げられている点からも、今年の太平洋は例年とは異なる大気の状態にあると考えるのが自然でしょう。
今後の見通しとしては、台風24号自体は8日(火)頃に熱帯低気圧へと姿を変える可能性が高いものの、それで安心とはならない点を強調しておきたいと思います。
熱帯低気圧やもう一つの熱帯低気圧が前線を刺激する構図は、10日(木)頃まで続くと予想されており、太平洋側を中心とした広い範囲で長雨が続く見込みです。
進路や雨量の予測にはまだ不確実性が大きいとされていますので、油断せず、こまめに最新の台風情報や雨雲レーダーを確認する習慣を持っていただきたいと筆者は考えます。
まとめ
台風24号(クロヴァン)は9月5日時点で久米島の北の海上をゆっくり南下しており、高気圧の位置関係や上空の寒気の影響で反時計回りに迷走する複雑な動きを見せています。
暴風域を伴わない弱い勢力ながら、秋雨前線を刺激することで7日(月)を中心に関東や東海で平年ひと月分を超える記録的な大雨のおそれがあり、奄美地方や沖縄県ではすでに線状降水帯が発表される事態となっています。
台風は8日(火)頃に熱帯低気圧へ変わる見込みですが、大雨の影響は10日(木)頃まで続く可能性がありますので、進路と雨の情報を最後まで注視していただければと思います。





